皆さん、こんにちは、こんばんは!
いかがお過ごしでしょうか?本は読んでますか?
最近ハマってる綾辻行人氏の推理小説が面白すぎて、結構なペースで読書感想文を投稿してますね!
今回読んだのは、「水車館の殺人」「迷路館の殺人」に引き続き第四作目の
「人形館の殺人」
です!
名前からして恐ろしいですが、とりあえず、あらすじをどうぞ……
亡父が残した京都の邸「人形館」に飛龍想一が移り住んだその時から、驚倒のドラマ
が開始した!邸には父の遺産というべき妖しい人形たちが陣取り、近所では通り魔
殺人が続発する。やがて想一自身にも姿なき殺人者がしのび寄る!
名探偵島田潔と謎の建築家中村青司との組合せが生む館シリーズの最大の戦慄。
(裏表紙に記載されたあらすじから引用)
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病院で養生してしばらくし、退院した飛龍想一は慣れ親しんだ静岡を離れ、父・高洋(こうよう)が亡くなって半年後に京都の実家に移り住んだのだった。実家と言っても想一にとっては音信不通となっていた数十年の間、京都に大きな屋敷を構えた事なぞ知る由も無かったのだが。
母・沙和子と共に新幹線に揺られながら辿り着いた京都は暗く、雨が降っていた。
京都駅から三十分程の屋敷町に、『飛龍家』がある。古式ゆかしい日本建築に連なる様に二階建ての洋館が奥に建てられていた。「緑影荘(りょくえいそう)」と呼ばれるその建物はさしずめアパートというより学生の下宿として開放されているが、飛龍家における近所の評判からか、入るのは金に困っている者達ばかりの様に見受けられる。
住民は、作家、大学院の研究生、盲目のマッサージ師、管理人夫婦という全くもって妖しい人物ばかりであり、想一を困惑させるのだった。
屋敷内には方々にマネキンが置かれており、近所からは「人形館」と恐れられている。目、鼻、口が存在しないその ”のっぺらぼう” のマネキンは薄気味悪く、初めて訪れた想一を震え上がらせた程だった。そのマネキンは奇妙にも、屋敷中に六体存在し、いずれも両腕、左脚、顔、胴体が欠けているのだ。
物語は想一が京都で過ごす、七月から一月までのおよそ半年を描く。
引っ込み思案で、人と話す事が苦手だった想一だったが、だんだんとある女性に対し積極的になり、恋心を覚え、住民に対しても臆することなく接する事も出来る様になっていた。
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え?なんも事件が起こらなそうですって?
甘いです。
奇怪な事が想一の来住を機に明るみになるのです。
玄関に置かれた不可解な大きな石、ポストの中に入っていたガラスの破片、何者かによって裂かれた自転車のブレーキ、玄関に置かれた頭が無残にも潰された仔猫の死体、鍵のかかった蔵のマネキンのいたずら、そして、母・沙和子の焼死。
噂によると、この飛龍家の屋敷は、かのからくり趣味の建築家・中村青司が手を加えた
「人形館」だという。様々な奇怪な出来事は中村青司が成した家による ”呪い” によるものではないかと考えた想一。
頭の中で聞こえて来る ”記憶” ……それに思い悩ませる。
それに加えて届けられる短いB5の手紙。それの内容は脅迫に取れた……
(以下ネタバレです)
実は、想一は精神分裂症に悩まされており、自殺しようとして入院していたのでした。冒頭に紹介した、病院とは「精神病院」の事。
改善したかに見えたのでしたが、その様な事はありませんでした。
脅迫状は ”もう一人” の想一が送った自作自演。
家の前に置かれた石やポストに入っていたガラスの破片らも ”もう一人” の想一が仕掛けた ”起爆剤” 。
母を殺したのも、”自分”。
それと「人形館」というのも全くの勘違い。時代的に、父・高洋と中村青司が接触していたとは考えられず、その頃中村青司はまだ20代で、”からくり” を仕掛けられる程、細かい建築の構造を考えるとはあり得ないと言います。
そして、それを唱えたのは、物語の主人公である島田潔だと思ったそこのあなた。
違うんです。
この「人形館の殺人」は綾辻行人による『館シリーズ』では殊に「異色」と言われており、その理由は、中村青司による奇怪な館が一切登場せず、また、島田潔が事件を解決しないということ。
私は、小説の冒頭から一人称で話が進むこの小説に違和感を覚えました。
犯人が語り手として物語が進行し、その飛龍想一は ””もう一人” の自分がしでかしたということを知らずに思い煩いながら生きているという事。
意図せずに誕生した人格に悩まされながら生きていた。
大方想像出来、ネタバレを読まずに小説を読了できたことに、個人的に感動しました。
人によっては「つまらない」と言われていますが、私はそんな事はありませんでした。
終盤でどんどん、テンポよくストーリーが進んでいきワクワクさせられました。
何度、「えぇえ~~?」「マジー?」って独り言呟いていた事かwww
皆さんも是非読んで見てください。
全部が全部書いていないので、きっと楽しめると思いますよ。
では、次はいよいよ「時計館の殺人」に挑戦します!
1992年度 第45回日本推理作家協会賞長編部門を受賞し、綾辻行人氏の代表作の一つである「時計館の殺人」。他の作品と比べて結構長いので、ゆっくりと読みたいと思います!