八月になりました。
八月には、秋風月(あきかぜづき)という異名があります。
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ぜんっぜん秋風は吹きませんよね、八月って。
もはや日本の四季は失われつつあると言われています。春と秋が消えたとか、消えてないとか。温暖化の影響は、日本が持つ四季を失くすのですね。
とにもかくにも、夏真っ盛りとなるこの時期、皆さま、体調には十分お気をつけください。
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つい昨夜、シドニィ・シェルダンの「ゲームの達人」を読了しました!
上巻・下巻とあるこの作品、合わせて830ページ超ありますが、するすると読み進められました。
もうね、読む手が止まらないんです。面白くて。
まだ一作しか読んでいませんが、シドニィ・シェルダンの書く小説の登場人物は、現実に居そうな感じがあって、人物像や心象情景が丁寧に描かれていて、とても惹き付けられました。
小説家の力ってそこなんだと思うのですよ。
……まあ、小説描いて2年経ったヤツが何を言ってんだって思うかもしれませんが、改めて気付かされたのです。
では、あらすじをご紹介します。巻末にも表紙裏にも記載が無かったので、オリジナルあらすじを書きます。どうぞ、
物語は、ケイト・ブラックウェルの90歳の誕生日パーティーから幕を開ける。
アメリカ合衆国大統領からの祝電、最高裁判所長官からの乾杯の挨拶、
知事よりの祝辞、と、やんごとなき面々がケイトに祝いを述べた。しかし、当の彼女
は「馬鹿馬鹿しい」と心の中で一蹴した。
彼女は財閥の女社長。90歳の齢を経ても、はっきりとした強い口調で話し、
招待客を驚かせた。
そして、所は南アフリカ、ダイアモンド・ラッシュの時代に遡り、『ゲーム』
が幕を開ける……。
この小説は、五人の登場人物に光を当て、全五章で織りなされる、とある”ゲーム”の話。
ジェミー
一途な情熱に生きる明るい青年。理由あって、己の人格を捨てて復讐の鬼と化すが……。
ケイト
ある男の落とし子として生を得るが、清らかな名とは裏腹に、もって生まれた駆け引きの才で人を操り、仕事に生きるが、何ごともやり過ぎる……。
トニー
大富豪の母に庇護されて生きる無欲で純真な青年。しがらみを捨てて自立を目指すが、その運命はいつの間にか他人の手に握られて……。
イブ
アレクサンドラ
絶世の美女に生まれた双子姉妹。肉欲に溺れ、美貌を武器に他人を利用して生きるイブ。姉を信じ、かばいながら生きるアレクサンドラに莫大な遺産相続が約束される。完全犯罪を企てるイブには切り札が……。
「ゲームの達人」というタイトルだが、その意味がとても深い物だと読み進めて行って気付きました。
多分、読んだことがない皆さまが一番に想像するのは、カジノやスロット、トランプなどの賭け事のことでしょう。
しかし、このお話のゲームとは(個人的に感じてですが)”どう生きるか” ”どう利用するか”の人生ゲームだと思っています。
一章から既に、ゲームは始まっており、登場人物たちの薄汚れた、愛、執念、憎悪という感情が所々に展開されて行きます。
ホラーの「恐怖」ではなく、サスペンス要素がある、「えぇ……そういう……?」という、ゾワッとする「恐怖」が描かれます。
登場人物たちそれぞれが恐ろしい心を持ち、お互いを利用し、利用されていく。
最初に述べましたが、シドニィ・シェルダンの描く登場人物は現実に居そうで居ない。 しかし、フィクションでいてノンフィクション的な書き方がとても素晴らしかったです。
歴史的にも触れた内容も多々あり、「ああ、こういう人居そうだ」と思わせられましたね。
個人的に思った話なんですが話していいですか?
歴史小説を主に書いているんですが、私の書く歴史上の偉人が、「この時、あの時、こう思っているかもしれない」というのを大事にして書いています。
「千姫物語」がその一つです。
しかし、それは、実際にいた人物を、ある意味では愚弄するという可能性と危険性を孕んでおり、注意していかなければなりません。
ある小説家は、登場人物を当時活躍していた人物を名を伏せて小説に出した結果、バレてしまい、裁判沙汰になるというケースを聞いた事があります。
歴史小説、時代小説は気を付けて書いていかなければならないなと思いましたね。
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もし、ブログをご覧の皆さまの中で読んだことない方も、ある方も、ぜひ読んで頂きたと思います。
ここで、表紙の折り返しに書かれた文言を皆さまにもシェアしたいと思います。
「最初のページを開いたあなたは運のつき。もうこのドラマの世界から逃れられません。シドニィ・シェルダン魔法のワールドへようこそ!」