自称:小説家 翔子の日常

こちらは、執筆家としての日々の悩みと、投稿完了の報告を綴っていくブログです

読書感想文:「コンビニ人間」村田沙耶香

昨年11月ごろに書いたブログ記事を投稿し忘れていたので投稿します。

 

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毎度、お久しぶりでございます!

 

自称・小説家の翔子でございます。

 

この度、実家の引っ越し手伝いで故郷に帰っておりまして、帰省中でございます。

その折に、ふと実家の本棚を見ておりましたら、上記の小説「コンビニ人間」がありまして、読みました。夜中から読み始めましたもので、2日掛かってしまいましたが、なるほど、芥川賞を受賞したと納得のいく内容でございました。

 

ともかく、毎度毎度のあらすじを書いて参りましょう。

 

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36歳未婚女性、古倉恵子。

大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年。これまで彼氏なし。

日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち。

清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、

毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。

ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、

そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが……。

普通とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作

(表紙の後ろに記載のあらすじより引用)

 

ご存知、第155回芥川賞を受賞した作品です。

 

村田さん自身、2003年に発表した『授乳』が第46回群像新人文学賞優秀賞受賞した、才能あるお方です。その他にも、第31回野間文芸新人賞、第14回センス・オブ・ジェンダー賞少子化対策特別賞を受賞するなど、多くの作品を世に出した後に、この「コンビニ人間」が発表されました。

 

個人的な話で申し訳ないのですが、私もコンビニで働いた事がありました。

専門学校に在学中から就職するまでの3年間。週2日のみ(たまにそれ以上も働いた事もw)ですが、昼勤・夕勤を経験してきたので、主人公の古倉が語るコンビニの世界観が蘇ってきました。

 

店員を人間と見ない客。親切な客。チロルチョコをくれた配送員のおじさんの優しさ。厳しい先輩。頼りがいのある同僚。新商品の品をフェイスアップする事。覚えて来る煙草の番号。常連客の好みの煙草。イケメンな常連客にドキドキする瞬間。嫌な店長。

 

すべてが私の思い出で、ブラック企業で追い詰められていた脳に、一気に記憶が降り注がれました。

 

コンビニで働く人を軽蔑する人は多いです。「コンビニ人間」に出て来る白羽もきっとその一人です。事情を知ろうともせず、30代後半になってもコンビニで働く人を”愚か”だと考える人。

アルバイト・パート・店員それぞれいますが、コンビニで働く人も人間です。ぞんざいに扱ったり、軽蔑する事は出来るだけして欲しくないなと感じましたね。

 

「自分が行う事が出来ないから、自分買いたい物をスキャンして貰う。それをするのがコンビニ店員の仕事」そう思ってる人が多いかもしれない。だったら、店員なんて必要ないですよね。自動レジのコンビニも増え始めているけど、まだまだ人の手が必要なんです。

 

商品棚が客の手によってぐちゃぐちゃにされて、それを直すのが店員の仕事。

足りなくなった商品をバックヤードから引っ張り出して補充するのが店員の仕事。

売上を店の質向上のために力を尽くすのが店員の仕事。

新しい商品を客のために棚に並べてあげるのが店員の仕事。

大きくて目に入るPOPを立てて客に新商品がある事を伝えるのが店員の仕事。

 

そして、極めつけが、挨拶と笑顔を絶やさずお客を迎え、気持ちよく迎え、そして送る事がコンビニの存在意義だと、私は考えます。