自称:小説家 翔子の日常

こちらは、執筆家としての日々の悩みと、投稿完了の報告を綴っていくブログです

読書感想文:「時計館の殺人」綾辻行人

読みました……"読んでしまった″ と言った方が良いですかね……。

 

ただ、一言、感想を言わせて頂くなら、「とっても素晴らしかった」です!

 

1992年度 第45回日本推理作家協会賞長編部門を受賞したこの作品。

綾辻行人氏の代表作とされる時計館の殺人

とても悲しくて、恐ろしくて、そして儚かった……。

 

先日、「他の作品と比べて長いのでゆっくりと読みたい」と述べましたが我慢出来ず読んでしまいました。

持ってる版が講談社文庫「2002年5月30日第17刷発行」バージョンで、延べ616頁に及ぶ大作品で、新装改訂版に至っては上下巻に分かれています。

 

2004年に発表された暗黒館の殺人

そして、2012年に発表された「奇面館の殺人」は数巻に分けられる長編ではありますが、90年代の当時の綾辻氏にとっての「館」シリーズ初の長編となっており、その精密で緻密、登場人物たちの掛け合い、鹿谷の行動・推理、物語の進め方、中村青司の手に成る建造物の奇怪な様相はとても顕著で、惹きつけられました。

 

飛び飛びではありますが3日間で読み終えてしまいました(一夜で読む方もいらっしゃるので偉そうには言えませんが(;^_^A)。

 

まぁとにかく、詳しいストーリー構成と詳しい感想を書き記す前に、あらすじをどうぞ……

 

 館を埋める百八個の時計コレクション。鎌倉の森の暗がりに建つその時計館

 で十年前一人の少女が死んだ。館に関わる人々に次々起こる自殺、事故、病死。

 死者の想いが籠る時計館を訪れた九人の男女に無差別殺人の恐怖が襲う。

 凄惨な光景ののちに明かされるめくるめく真相とは?

 第45回日本推理作家協会賞受賞。

                 (裏表紙に記載されたあらすじから引用)

 

この作品のテーマは「時計」

その「時計」に登場人物たちが縛られる物語です。←ざっくり

 

大手出版社・稀譚社の新米編集者である江南孝明(かわみなみたかあき)は、友人であり駆け出しの推理作家でもある鹿谷門実(ししやかどみ)を訪ねる。

そこで彼は担当している超常現象を取り扱うオカルト雑誌『CHAOS』の取材のため、

2人と因縁のある中村青司の建築した館・通称【時計館】に行く事を伝える。

その館には10年前に死亡した少女の霊が出るという。江南はその霊について取材するため、3日間泊まり込みで霊との交信を行う事となった。

『CHAOS』の副編集長、稀譚社のカメラマン、霊能者、大学の超常現象研究会のメンバー数名らとチームを組み、彼らはいわくつきの【時計館】を訪れる。

平和に3日間が終わると思われたが、そこでは悲惨な殺人事件が幕を開ける。

 

別館と本館との区切られた世界 ─────

壊されて行く多数の時計 ─────

過去の因縁と記憶の錯綜  ─────

次々と殺害されて行く密室空間  ─────

明かされていく謎の数々  ─────

 

すっごく話したいことが山ほどありますが、ぜひそこは皆さん、お手に取って読んでみてください。きっとものの数日で読み終えると思いますよ?

私は比較的読むのが遅く、諸々参考になる地の文の抜粋に忙しかったので1~2週間ぐらいかな?掛かりましたが、気付いたら朝まで読んでいたりと綾辻行人ワールドに引っ張り込まれます。

 

登場人物がこれまでの「館」シリーズ最多ではありますが、誰も彼もが重要な人物っぽく感じられて面白かったですね。あと、館の詳細な描写がとても緻密で、頭の中ですっぽりそのまま入ってきました。

あと、読んだらもう一度読み返したくなる作品かもしれませんね。犯人を知った上で再度読むと違った見方が出来ます。

 

皆様も、是非。

 

では、本日はこれにて。